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2歳・3歳で「できないこと」が多いと感じたときに大切な考え方|少し手伝えばできる力を伸ばす療育

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2歳・3歳ごろになると、保護者の方から、

「うちの子は、できないことが多い気がする」
「同じ年齢の子と比べると、遅れているのではないか」
「何度言ってもできないけど、どう関わればいいのか分からない」

というご相談をいただくことがあります。

着替え、片付け、ことば、順番待ち、食事、トイレ、集団生活。
日々の生活の中で「できない」が目につく場面は、たくさんあります。

しかし、2歳・3歳の子どもを見るときに大切なのは、
「できる・できない」だけで判断しないことです。

むしろ大切なのは、

今は一人では難しいけれど、少し手伝えばできることは何か

を見つけることです。

この「少し手伝えばできる力」を見つけて伸ばしていくことが、家庭での関わりや療育の大切な視点になります。

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2歳・3歳は「できること」に大きな差が出やすい時期です

2歳・3歳は、ことば、運動、身の回りのこと、人との関わり、気持ちの切り替えなど、さまざまな力が育っていく時期です。

ただし、発達の進み方には個人差があります。

たとえば、同じ3歳でも、

  • よく話すけれど、着替えは苦手
  • 体はよく動くけれど、順番を待つのが難しい
  • 家ではできるけれど、園では固まってしまう
  • 興味のあることはよくできるけれど、苦手なことには強く抵抗する

ということがあります。

発達の目安は大切ですが、それだけで子どもを判断するものではありません。CDCは、発達の目安について「遊び・学び・話す・行動・動きは発達を知る手がかりになる」と説明していますが、同時に発達には幅があるため、気になる場合は早めに相談することが重要です。

つまり、2歳・3歳で「できないこと」があること自体が、すぐに問題というわけではありません。

大切なのは、
何が苦手なのか
どこでつまずいているのか
どんな手助けがあればできるのか
を丁寧に見ていくことです。


「できない」と決めつける前に見るべき3つの段階

子どもの姿を見るときは、次の3つに分けて考えると分かりやすくなります。

1. 一人でできること

まずは、子どもがすでに一人でできることです。

たとえば、

  • 靴を脱ぐことはできる
  • スプーンで食べることはできる
  • 好きなおもちゃなら片付けられる
  • 簡単な言葉で要求を伝えられる

などです。

ここは、その子の「今すでに育っている力」です。

大人はつい、できないところに目が向きやすくなります。
しかし、まずはできていることを確認することが大切です。

できている力を土台にすると、次に伸ばす力が見えやすくなります。


2. 少し手伝えばできること

次に見るのが、最も大切な部分です。

一人では難しいけれど、少し手伝えばできること。

たとえば、

  • 声をかければ靴をそろえられる
  • 最初だけ手伝えばズボンを履ける
  • 写真カードを見れば次の活動に移れる
  • 大人が横にいれば順番を待てる
  • 選択肢を出すと、自分で選べる
  • 「貸して」と言う見本があれば真似できる

この部分が、子どもの伸びしろです。

教育心理学では、子どもが一人では難しいけれど、大人や周囲の支援があればできる範囲を「最近接領域」として考えることがあります。これは、子どもの今の力と、支援があれば発揮できる力の間に注目する考え方です。

療育では、この「少し手伝えばできること」を見つけて、少しずつ支援を減らしながら、自分でできる力につなげていきます。


3. 今はまだ難しいこと

最後に、今はまだ難しいことです。

たとえば、

  • 何度言っても分からない
  • 手伝っても強く嫌がる
  • その場にいるだけで不安が強い
  • 活動の意味がまだ理解できていない
  • 感覚的にどうしても苦手そう

という場合です。

この段階のことを、無理に頑張らせすぎると、子どもにとっては「できた経験」ではなく、
嫌だった経験
怒られた経験
苦手意識
として残ってしまうことがあります。

そのため、今はまだ難しいことについては、目標を小さくしたり、環境を変えたり、別の方法で取り組んだりする必要があります。


具体例1:着替えができない場合

たとえば、3歳の子がズボンを履くことが苦手だったとします。

このときに、

「もう3歳なんだから、自分で履きなさい」
「なんでできないの」
「早くして」

と声をかけ続けても、うまくいかないことがあります。

大切なのは、どこでつまずいているのかを見ることです。

  • ズボンの前後が分からないのか
  • 足を入れる場所が分からないのか
  • 片足立ちが不安定なのか
  • 手先の力が弱いのか
  • 見通しがなくて嫌なのか
  • 朝の忙しい時間で焦っているのか

同じ「着替えができない」でも、理由は一つではありません。

もし、最初にズボンの向きを整えてあげると履けるなら、
その子に必要なのは「全部手伝うこと」ではなく、
最初の向きを分かりやすくする支援です。

このように、少しの手助けでできる部分を見つけると、子どもは「できた」を経験しやすくなります。


具体例2:片付けができない場合

「片付けて」と言っても動かない。
何度言っても遊び続けてしまう。

このような場面もよくあります。

ただ、2歳・3歳の子どもにとって、「片付けて」という言葉は意外と難しい場合があります。

なぜなら、

  • 何を片付けるのか
  • どこに入れるのか
  • いつまでに終わればよいのか
  • 片付けた後に何があるのか

が分かりにくいことがあるからです。

この場合は、

「ブロックをこの箱に入れよう」
「赤い車をここに入れよう」
「3個入れたらおしまい」
「片付けたら絵本を読もう」

のように、行動を小さく分けるとできることがあります。

つまり、子どもが片付けられないのではなく、
片付けの手順が見えていない
という場合があります。


具体例3:ことばで伝えられない場合

2歳・3歳では、気持ちや要求をうまく言葉にできず、泣く、怒る、叩く、物を投げるなどの行動で表現することがあります。

このときに、

「ちゃんと言いなさい」
「泣かないの」
「怒らないで」

と言っても、子どもにとっては難しいことがあります。

必要なのは、正しい言葉を教える前に、
子どもが何を伝えたかったのかを大人が理解することです。

たとえば、

  • 使いたかった
  • 取られて嫌だった
  • もう一回やりたかった
  • 終わりたくなかった
  • 手伝ってほしかった
  • 疲れていた
  • 音や人の多さがつらかった

などです。

そのうえで、

「貸して、だね」
「もう一回、だね」
「手伝って、って言うよ」
「嫌だったね。返してほしかったね」

と、子どもが使いやすい言葉に置き換えてあげます。

最初から一人で言える必要はありません。

大人の言葉を聞く。
真似して言う。
選択肢から選ぶ。
身振りで伝える。
少しずつ言葉で伝える。

このように段階を作ることで、伝える力は育ちやすくなります。

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具体例4:順番を待てない場合

順番を待つことも、2歳・3歳にとっては難しいことがあります。

「待っててね」と言われても、

  • どのくらい待つのか分からない
  • 待った後に自分の番が来ると分からない
  • 欲しい気持ちを止められない
  • 友達が使っていると不安になる
  • 過去に待っても貸してもらえなかった経験がある

ということがあります。

この場合は、

「あと1回で交代」
「タイマーが鳴ったら交代」
「次は〇〇くんの番」
「待っている間はこのカードを持っていよう」

のように、待つ時間を見える形にすると分かりやすくなります。

順番を待つ力は、ただ我慢させるだけでは育ちにくいです。

見通しを持って待つ経験
待ったら自分の番が来た経験
大人が間に入ってくれた安心感

が積み重なることで、少しずつ育っていきます。


大人の手助けは「多すぎても、少なすぎても」難しい

子どもを支援するときに難しいのは、手伝い方の量です。

手助けが少なすぎると、子どもは失敗し続けてしまいます。

一方で、手助けが多すぎると、子どもが自分で考えたり、試したりする機会が少なくなってしまいます。

大切なのは、

今の子どもにとって、ちょうどよい手助けをすること

です。

たとえば、着替えなら、

  1. 全部手伝う
  2. 最初だけ手伝う
  3. 声かけだけする
  4. 見守る
  5. 一人でできる

というように、少しずつ支援を減らしていきます。

療育では、この「支援を入れる」「支援を減らす」という調整を丁寧に行います。

子どもが失敗しすぎないようにする。
でも、大人がやりすぎないようにする。
このバランスがとても大切です。


家庭でできる関わり方

家庭でできることは、特別な訓練だけではありません。

日常生活の中で、次のような関わりを意識するだけでも、子どもの「少し手伝えばできる力」を見つけやすくなります。

1. 「できない」ではなく「どこまでならできるか」を見る

たとえば、靴を履けないときに、

「靴が履けない」

で終わらせるのではなく、

  • 靴を持ってくることはできる
  • マジックテープを外すことはできる
  • 足を入れるところまではできる
  • 最後にかかとを入れるのが難しい

というように分けて見ます。

すると、手伝う場所が分かります。

全部手伝う必要があるのか。
最後だけ手伝えばよいのか。
声かけだけでよいのか。

見方が変わると、関わり方も変わります。


2. 声かけを短くする

2歳・3歳の子どもには、長い説明が入りにくいことがあります。

たとえば、

「早く片付けて。もうすぐご飯だから、いつまでも遊んでいないで、ブロックを箱に入れて」

と言うよりも、

「ブロック、箱」
「3個入れよう」
「入れたらごはん」

の方が伝わりやすい場合があります。

声かけは、短く、具体的にすることが大切です。


3. 見て分かる工夫をする

言葉だけでは分かりにくい子には、見て分かる工夫が役立つことがあります。

たとえば、

  • 写真
  • 絵カード
  • 実物を見せる
  • 順番表
  • タイマー
  • 終わりの箱
  • 「あと1回」のカード

などです。

子どもが分かりやすい方法は、一人ひとり違います。

言葉で分かる子もいれば、見た方が分かる子もいます。
実際にやってみると分かる子もいます。

その子に合った伝え方を探すことが大切です。


4. 成功しやすい形にしてから練習する

苦手なことをいきなり最後までやらせると、失敗が増えてしまいます。

たとえば、片付けが苦手な子に、部屋全体を片付けさせるのは難しい場合があります。

その場合は、

「この車を1個だけ箱に入れる」
「ブロックを3個だけ入れる」
「最後の1個だけ入れる」

というように、成功しやすい形にします。

成功すると、子どもは「できた」という経験を持てます。

この「できた」の積み重ねが、次の意欲につながります。


5. できた瞬間を具体的に伝える

ほめるときは、ただ「すごいね」だけではなく、何がよかったのかを具体的に伝えると分かりやすくなります。

たとえば、

「靴を自分で持ってこられたね」
「ブロックを箱に入れられたね」
「待っていたら順番が来たね」
「手伝ってって言えたね」
「最後まで座って食べられたね」

という形です。

子どもが、自分のどんな行動がよかったのか分かると、次も同じ行動をしやすくなります。


療育では「できないこと」だけを見るわけではありません

療育というと、「できないことを練習する場所」と思われることがあります。

もちろん、生活に必要な力を育てていくことは大切です。

しかし、療育で大切にするのは、できないことをただ練習させることではありません。

大切なのは、

  • 子どもの得意なこと
  • 苦手なこと
  • 興味のあること
  • 安心できる環境
  • 分かりやすい伝え方
  • 必要な手助けの量
  • 家庭や園で困っていること

を整理しながら、その子に合った支援を考えることです。

こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインでも、児童発達支援は本人支援だけでなく、家族支援や地域支援を含めて、子どもと家族を総合的に支援するものとされています。

つまり、療育は子どもだけを変える場所ではありません。

子どもが分かりやすくなるように環境を整えたり、家庭での関わり方を一緒に考えたり、園や関係機関と支援をそろえたりすることも大切な役割です。


相談した方がよい場合

次のような場合は、家庭だけで抱え込まず、専門機関や児童発達支援事業所、自治体の相談窓口などに相談することをおすすめします。

  • ことばの遅れが気になる
  • 呼びかけへの反応が少ない
  • 友達との関わりが難しい
  • 癇癪が強く、日常生活に支障がある
  • 着替え、食事、トイレなど生活面の困りが大きい
  • 園から発達について相談をすすめられた
  • 保護者が関わり方に悩み続けている
  • 家庭での対応に限界を感じている

相談することは、子どもに「問題がある」と決めることではありません。

むしろ、早い段階で子どもの特徴を理解し、合う関わり方を見つけるための大切な一歩です。

WHOも、乳幼児期の発達には、健康・栄養・安全・応答的な関わり・早期の学びの機会を含む養育環境が重要であると示しています。

子どもだけでなく、保護者が安心して相談できる環境を整えることも、とても大切です。

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SHIPが大切にしていること

SHIPでは、子どもの姿を「できる・できない」だけで判断しません。

大切にしているのは、次の3つです。

比較しない

同じ年齢の子と比べるのではなく、その子自身の今の姿を見ます。

昨日より少し分かりやすくなったこと。
前より少し待てるようになったこと。
大人の手助けが少し減ったこと。

その子の中での変化を大切にします。


行動の背景を見る

泣く、怒る、逃げる、固まる、やらない。

その行動だけを見ると、「困った行動」に見えることがあります。

しかし、その背景には、

  • 分からない
  • 不安
  • 見通しがない
  • 感覚的につらい
  • 伝え方が分からない
  • 失敗したくない
  • 助けてほしい

という理由があるかもしれません。

SHIPでは、行動を表面だけで見ず、背景にある理由を考えます。


チームで支援をそろえる

子どもへの関わり方が、大人によって大きく違うと、子どもは混乱しやすくなります。

そのため、SHIPでは、職員同士で支援の方向性を確認しながら、チームで支援をそろえることを大切にしています。

また、必要に応じて保護者の方とも関わり方を共有し、家庭でも取り入れやすい方法を一緒に考えていきます。


「できないことが多い」と感じたときこそ、伸びる場所を探す

2歳・3歳で「できないこと」が多いと感じると、保護者の方は不安になると思います。

でも、子どもを見るときに大切なのは、

「できないからダメ」
「遅れているから心配」

と決めつけることではありません。

大切なのは、

どこまでならできるのか
どんな手助けがあればできるのか
今は何を小さな目標にすればよいのか

を一緒に考えることです。

一人では難しい。
でも、少し手伝えばできる。

その力を見つけることが、子どもの成長を支える第一歩になります。


山梨県笛吹市・中央市周辺で児童発達支援をお探しの方へ

SHIPでは、2歳・3歳のお子さんの発達について、見学やご相談を受け付けています。

「ことばがゆっくりかもしれない」
「集団生活が心配」
「身の回りのことがなかなか進まない」
「家庭でどう関わればよいか分からない」
「児童発達支援を利用した方がよいのか迷っている」

このようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。

お子さんの今の姿を一緒に整理しながら、必要な支援を考えていきます。


見学・ご相談はこちら

お子さんの発達について、
「今どこまで手伝えばよいのか」
「家庭だけで見ていて大丈夫なのか」
「児童発達支援を利用した方がよいのか」
迷われている方は、見学・ご相談からお気軽にお問い合わせください。


よくある質問

Q. 2歳・3歳でできないことが多いのは、発達の遅れですか?

できないことがあるだけで、すぐに発達の遅れと決まるわけではありません。
発達には個人差があります。

ただし、生活の中で困りごとが続いている場合や、保護者の不安が強い場合は、早めに相談することをおすすめします。


Q. 家ではできるのに、園ではできないのはなぜですか?

家庭と園では、環境が大きく違います。

人の多さ、音、活動の流れ、先生の声かけ、友達との関わりなどによって、家ではできることが園では難しくなることがあります。

その場合は、「本当はできるのにやらない」と見るのではなく、園でできるためにどんな支援が必要かを考えることが大切です。


Q. 親が手伝いすぎると、自分でできなくなりますか?

手伝い方によります。

すべてを大人がやってしまうと、自分で取り組む機会が少なくなることがあります。
一方で、手助けが少なすぎると、失敗が続いて苦手意識が強くなることもあります。

大切なのは、今の子どもに合った手助けをして、少しずつ減らしていくことです。


Q. 療育では何をしてくれますか?

療育では、子どもの発達や生活の様子を見ながら、必要な支援を考えていきます。

遊びや生活場面を通して、ことば、運動、身の回りのこと、人との関わり、気持ちの切り替えなどを支援します。

また、家庭での関わり方や園での困りごとについても、一緒に考えていきます。

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