ゆうた先生こんにちは♪今回はSHIPの個別活動についてのご紹介です♪
SHIPでは、一人ひとりの子どもとじっくり向き合う「個別活動」の時間を大切にしています。
個別活動と聞くと、
「ひらがなの練習をするのかな?」
「数字や計算の勉強をするのかな?」
と、国語や算数の学習を思い浮かべる方もいるかもしれません。
もちろん、その子に必要であれば、文字や数に取り組むこともあります。ただ、SHIPの個別活動は、国語や算数だけをする時間ではありません。
私たちが出発点にしているのは、
「今、この子に必要なことは何だろう?」
という問いです。



個別活動は、課題をこなす時間ではありません。今できていることと、少し支えがあればできることを見ながら、その子に合う次の一歩を一緒に考えます。
個別活動は、見立てから共有までを一つの流れで考えます
SHIPの個別活動は、用意された課題をこなすこと自体が目的ではありません。お子さまの今の姿を捉え、生活につながる目標を考え、実践後の様子から次の支援を調整します。
- アセスメント:遊びや生活場面、ご家庭・園での様子から、できていることと取り組みにくい条件を整理します。
- 目標設定:「落ち着く」「頑張る」ではなく、生活のどの場面がどう広がるとよいかを考えます。
- 活動の組み立て:ことば、手指や身体、生活動作、コミュニケーションなどから、今必要な経験を選びます。
- 実践:見本、声かけ、道具、姿勢、活動量を調整し、その子が分かりやすい方法を探します。
- 振り返り:どの助けが役立ったか、どこまで自分でできたかを確認し、次の活動を調整します。
- 保護者の方への共有:結果だけでなく、見えてきた得意なことや家庭で取り入れやすい関わり方をお伝えします。
一人ひとり、取り組むことは違います
子どもによって、今できていることも、得意なことも、困っていることも違います。そのため、個別活動の内容も一人ひとり異なります。
例えば、次のような活動があります。
手や身体を使う活動
- つまむ、入れる、ひねるなど、遊びながら手指を使う
- 肘、手首、指先を少しずつ使い分ける
- 描くことや書くことにつながる身体の使い方を経験する
- 活動に取り組みやすい姿勢や身体の動かし方を探す
ことばやコミュニケーションにつながる活動
- 声や身振り、絵カードなど、その子に合った方法で思いを伝える
- 人の声や働きかけに気付く
- ことばと物、ことばと動作を結び付ける
- 「取る」「入れる」「掛ける」「片付ける」などのことばを、実際の動作と結び付ける
- 「やって」「手伝って」「おしまい」など、自分の要求や気持ちを伝える
毎日の生活につながる活動
- 服を畳む
- 容器やコップを開ける
- スプーンや箸などの食具を使う
- 身の回りの物を片付ける
- 必要な物を自分で選んだり、準備したりする
ここに挙げたものは、あくまで一例です。すべての子どもが同じ活動をするわけではありません。
もっと土台となるところから始めることもあります
子どもによっては、「文字を書く」「数を数える」ことよりも先に、
- 同じ物と同じ物を合わせる
- 物をよく見る
- 手元に注意を向ける
- 大人の働きかけに気付く
- 大人と一緒に一つの物を見る
- 「やってみよう」と活動に向かう
といった経験を重ねることが、今のその子にとって大切な場合があります。
大人から見ると、とても小さな一歩に見えるかもしれません。それでも、その一つひとつは、これからの学びやコミュニケーション、毎日の生活を支える大切な経験です。
「書けない」からといって、書く練習だけをするわけではありません
例えば、文字を書くことが難しい子がいたとします。
SHIPでは、
「書けないから、たくさん書こう」
とだけ考えることはしません。
文字を書く場面には、
- 見本に目を向ける
- 形を捉える
- 姿勢を保つ
- 肘や手首を動かす
- 指先で道具を操作する
- 鉛筆を持つ力を調整する
- 書いたものを目で確かめる
など、いくつもの動きや認知の働きが関係します。
そこで、
「どこまではできているかな?」
「どの部分で困っているかな?」
「どんな工夫があれば取り組みやすいかな?」
と考えながら、その子に必要なところを見つけていきます。
たくさん練習することよりも、道具を変える、姿勢を整える、見本を分かりやすくする、取り組む量を調整するといった工夫が役立つこともあります。
「その場でできた」だけで終わらせないために
SHIPの個別活動で大切にしているのは、個別活動の時間に課題ができることだけではありません。
例えば、容器を開けられるようになることは、自分で飲んだり食べたりすることにつながります。
「掛ける」ということばと動作が結び付くことは、園や学校、家庭で身の回りの物を扱う場面につながります。
手首や指先を使う経験は、食事や着替え、描画や書字など、さまざまな生活場面と関係します。
個別活動で経験したことを、遊びや集団活動、家庭、園、学校などの生活の中でも生かせるようにすることが大切です。
「この経験が増えることで、この子の生活はどのように広がるだろう?」
SHIPでは、そんな視点を持ちながら活動を考えています。
個別活動と小集団支援を行き来します
個別活動では、落ち着いて取り組める環境で、理解しやすい伝え方や必要な助けを確かめられます。小集団では、順番を待つ、相手に伝える、友達の様子を見る、活動を切り替えるといった、人との間で必要になる経験を重ねます。
個別で分かる方法を見つけ、小集団で使ってみる。その様子を次の個別活動に生かす。この行き来を通して、活動の場だけでなく、家庭や園で使える力へつなげることを大切にしています。
だから、「みんな同じ」ではありません
同じ年齢だから、同じプリントをする。
同じ診断名だから、同じ活動をする。
ということではありません。
一人ひとり、今できていることも、得意なことも、困っていることも、次に必要な経験も異なります。
だからこそ、
その子に今必要なことを見つけて、
一つひとつ、じっくり丁寧に取り組む。
それが、SHIPの個別活動です。
国語や算数につながる学びもあります。身体の動きやコミュニケーション、日々の生活につながる学びもあります。
それぞれを別々に考えるのではなく、
「この子が、自分らしく生活していくために必要な力や経験は何だろう?」
と考えながら、支援を組み立てています。
ご家庭と一緒に見つけていきたいこと
個別活動は、事業所の中だけで考えて完結するものではありません。
「最近、自分でやろうとすることが増えた」
「家では、この方法だとうまくいく」
「このごろ、こんなことで困っている」
ご家庭で見られる姿は、その子に合った支援を考えるための大切な手がかりです。気付いたことがあれば、どんな小さなことでも職員にお聞かせください。
一方で、SHIPで行っている活動を、ご家庭でも同じように練習しなければならないわけではありません。ご家庭は、子どもと保護者の皆さまが安心して過ごす大切な生活の場です。
私たちは、保護者の皆さまから日々の様子を教えていただきながら、子どもの「できた」「伝わった」「やってみたい」を一緒に見つけ、次の一歩につなげていきたいと考えています。
焦らず、比べず、その子の歩幅で。
これからも、一人ひとりの小さな変化を大切にしながら、個別活動に取り組んでいきます。
SHIP中央で個別活動や小集団支援を見学できます
記事で紹介した考え方を、SHIP中央でどのように活動へ落とし込んでいるかをご案内します。利用を決める前の相談でも構いません。
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0ff6d844-e785-416a-9bbc-194938099218/583292ad/20240709_councils_shingikai_shougaiji_shien_0ff6d844_04.pdf - 文部科学省「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領 第7章 自立活動」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/tokushi/1284536.htm

