「個別療育と小集団療育、うちの子にはどちらが合うのだろう」と迷うことは珍しくありません。けれど、どちらか一方が優れているわけではなく、それぞれに確かめやすいこと、経験しやすいことがあります。
大切なのは、支援の形を先に決めることではありません。お子さんがどの場面で参加しにくいのか、どのような助けがあると分かりやすくなるのかを丁寧に見ながら、今の目標に合う方法を考えることです。
ゆうた先生個別か集団かの二択ではありません。個別で分かったことを少人数の活動で試し、また次の個別活動に生かしていきます。
結論:個別と小集団は、役割の違う支援です
個別活動では、お子さんの理解の仕方や伝え方、取り組みやすい手順などを、一人ひとりに合わせて確かめやすくなります。小集団支援では、ほかの子や大人と同じ場にいるからこそ生まれるやり取りや、集団の中で参加する経験をつくれます。
個別で分かったことを小集団で試し、小集団で見えた課題を次の個別活動に生かすこともできます。「個別か小集団か」を一度で決めるより、目標とお子さんの様子に合わせて組み合わせや重点を見直す視点が大切です。
個別療育では何をする?
個別療育は、同じ課題をすべてのお子さんに行う時間ではありません。遊びややり取り、課題への取り組み方などから現在の姿を見立て、目標に合わせて活動を組み立てます。
- ことばだけの説明と、見本や絵などを加えた説明で、分かり方がどう変わるか
- 自分の気持ちや「手伝って」を、どのような方法なら伝えやすいか
- 遊びや課題に入りやすい順序、量、時間、環境はどのようなものか
- できたことを別の場面でも使うために、どのような支えが必要か
このような点を確かめながら、目標を立て、活動を実践し、記録をもとに振り返ります。詳しい流れは、「SHIPの個別活動」で行っていることで紹介しています。
小集団支援では何をする?
小集団支援では、ほかの子や大人と同じ活動に参加する中で、相手に気づくこと、順番を待つこと、役割を交代すること、困ったときに助けを求めることなどを経験します。
目的は、集団に一律に合わせられるようにすることではありません。予定を分かりやすくする、待つ時間を調整する、参加の仕方を選べるようにするなど、お子さんが安心して関われる条件を探します。
| 比べる視点 | 個別活動 | 小集団支援 |
|---|---|---|
| 確かめやすいこと | 理解しやすい伝え方、取り組みやすい手順、本人に合う助け | ほかの子がいる場での参加、やり取り、気持ちの調整 |
| つくりやすい経験 | 自分のペースで試す、できる方法を見つける | 一緒にする、待つ、交代する、助けを求める |
| 支援で見ること | 何が分かりにくいか、何があると取り組みやすいか | どの場面で参加しにくいか、どんな支えで参加しやすくなるか |
| 次につなぐ視点 | 個別で分かった方法を、家庭や園・学校、小集団で試す | 小集団で見えた姿を、次の個別活動や環境調整に生かす |
表は一般的な役割の整理です。実際の活動内容や進め方は、事業所やお子さんの目標によって異なります。
個別活動を考えるときの見方
次のようなときは、まず個別の場で「なぜ難しいのか」「何があると分かりやすいのか」を確かめることが、支援を考える手がかりになります。
- 指示の長さや伝える順番によって、反応が大きく変わる
- 自分の気持ちや希望を伝える方法を一緒に探したい
- 遊びや動きを小さな段階に分けて練習したい
- 得意なことや関心を、次の学びにつなげたい
- 集団の中では見えにくい「できる条件」を丁寧に知りたい
これは診断のためのチェックリストではありません。同じように見える行動でも、背景や必要な支えは一人ひとり異なります。
小集団支援を考えるときの見方
個別の場でできることが、ほかの子がいると難しくなることもあります。その場合は、小集団の中で次のような経験をつくり、参加しやすい方法を探します。
- ほかの子の動きや合図に気づく
- 順番や役割を、分かりやすい形で経験する
- 予定の変更や待つ時間に、支えを使いながら向き合う
- 「入れて」「貸して」「手伝って」などを、自分に合う方法で伝える
- 同じ遊びや活動を誰かと共有する楽しさを知る
無理に集団へ入れることが目的ではありません。見学では、参加が難しいときにどのような支えや選択肢があるかも確認してみてください。
個別活動と小集団支援を組み合わせる理由
お子さんの姿は、場所や相手、活動によって変わります。そのため、一つの場面だけで判断せず、次のように行き来しながら支援を組み立てます。
- 個別で確かめる:分かりやすい伝え方や、取り組みやすい手順を探す
- 小集団で試す:見つけた方法を、人や刺激のある場で使ってみる
- 記録して振り返る:できた条件と難しかった場面を整理する
- 次の支援へつなぐ:個別活動を調整し、家庭や園・学校とも共有できる形にする
児童発達支援事業所SHIP中央では、個別活動と小集団支援を組み合わせ、お子さんの目標に合わせて支援を考えています。
SHIP中央の支援内容を詳しく見る
個別活動と小集団支援の考え方、利用までの流れ、アクセスなどは、SHIP中央の案内ページでご確認いただけます。
見学で確認したい7つのポイント
見学では、設備や活動の種類だけでなく、「なぜその支援を行うのか」を聞くと、お子さんに合うかを考えやすくなります。
1.どのような場面から、お子さんの姿を見立てますか?
できる・できないだけでなく、伝え方や環境を変えたときの様子をどのように見るかを確認します。
2.支援の目標は、どのように決めますか?
保護者の願いとお子さんの姿をどう結び、目標と活動の理由をどのように説明するかを聞いてみましょう。
3.個別活動と小集団支援は、どうつながっていますか?
別々の活動として終わらず、個別で分かったことを小集団へ、小集団で見えたことを個別へどう生かすかを確認します。
4.参加が難しいときは、どのように支えますか?
声かけを増やすだけでなく、予定の見せ方、活動量、待つ時間、休む場所などを調整する考えがあるかを聞きます。
5.活動の記録と振り返りは、次の支援にどう生かされますか?
その日の様子を残すだけでなく、目標や活動を見直す材料として使われているかがポイントです。
6.家庭や園・学校とは、何を共有しますか?
事業所でうまくいった方法をほかの場でも使えるようにするため、どのような連携を大切にしているかを確認します。
7.見学後は、どのように相談を進められますか?
利用を急いで決めるのではなく、気になることを追加で相談できるか、現在の利用案内をどこで確認できるかを聞いておくと安心です。
見学前にメモしておくと伝えやすいこと
- 気になる姿が見られる場面と、あまり見られない場面
- 声かけ、見本、絵、待つ時間など、あると分かりやすそうな支え
- お子さんが好きな遊び、得意なこと、落ち着きやすい過ごし方
- 家庭や園・学校で、今後できるようになったらよいと感じていること
「困った行動」を並べるためのメモではありません。お子さんが力を発揮しやすい条件も一緒に伝えると、相談の出発点を共有しやすくなります。
よくある質問
個別療育のほうが、手厚い支援ですか?
支援の手厚さは、個別か小集団かという形だけでは決まりません。目標が明確で、活動の理由を説明でき、記録をもとに見直しているかを確認することが大切です。
集団活動が苦手なら、個別だけがよいですか?
個別で安心して取り組める方法を見つけてから、小集団で少しずつ試す方法もあります。集団への参加を急がず、お子さんの負担と目標の両方を見ながら考えます。
家では困っていなくても、相談してよいですか?
家庭と園・学校では、人数、音、予定、求められることが異なります。場面による姿の違いは、お子さんに必要な支えを考える大切な手がかりになります。
相談する前に、個別か小集団かを決める必要はありますか?
あらかじめ決める必要はありません。今気になっている場面や、お子さんが取り組みやすい条件を伝えながら、一緒に整理していくことができます。
SHIP中央の見学・利用相談
SHIP中央では、個別活動と小集団支援を組み合わせながら、一人ひとりの育ち方を丁寧に見立て、支援を考えます。支援内容や見学について知りたい方は、フォームまたはLINEからご相談ください。
対象、利用時間、通所地域、アクセスなどの最新情報は、SHIP中央の案内ページでご確認ください。

