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障害のある子の癇癪への関わり方

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叱る前に見てほしい「5つの支援方法」

子どもが大きな声で泣く。
床に寝転がる。
物を投げる。
切り替えができず、怒ったように見える。

こうした姿を見ると、大人はつい、

「どうして分かってくれないの?」
「また始まった」
「早く落ち着かせなきゃ」

と思ってしまうことがあります。

でも、障害のあるお子さんの癇癪は、単なるわがままや甘えだけで説明できるものではありません。
特に、発達の特性や感覚の過敏さ、ことばで伝える難しさ、不安、予定変更への戸惑いなどが重なると、子ども自身もどうしてよいか分からなくなり、癇癪という形で表れることがあります。

NICEの知的障害・チャレンジング行動に関するガイドラインでも、行動の背景には「満たされていないニーズ」がある場合があること、また本人の発達段階・コミュニケーション・感覚面・環境要因を踏まえて理解することが重要とされています。


癇癪は「止める」よりも、まず「安全にやり過ごす」

癇癪が起きている最中は、子どもは強い怒りや不安、混乱の中にいます。

このタイミングで、

「なんでそんなことするの!」
「泣かないの!」
「ちゃんと説明して!」

と声をかけ続けても、かえって刺激が増え、落ち着きにくくなることがあります。

まず大切なのは、説得することではなく、安全を確保することです。

① まず安全を確保する

物を投げる、頭を打ちつける、道路に飛び出しそうになる、他の子を叩きそうになる。
このような場面では、まず危険な物を遠ざけ、必要に応じて場所を移動します。

AAPが運営するHealthyChildren.orgでも、道路に飛び出す危険がある場合や、叩く・噛むなどの行動は見過ごさず、すぐに安全を確保する必要があるとされています。

ポイントは、怒って止めるのではなく、落ち着いて守ることです。

「危ないから、こっちに行くね」
「体を守るよ」
「ここなら安全だよ」

短い言葉で伝え、子どもの安全と周囲の安全を優先します。


② 言葉をかけすぎない

癇癪の最中は、子どもが大人の説明を受け取る余裕を失っていることがあります。

そのため、長い説明や説教ではなく、短く、同じ言葉で伝えることが大切です。

たとえば、

「大丈夫」
「ここにいるよ」
「落ち着いてから話そう」
「安全にしようね」

このくらいで十分です。

自閉スペクトラム症のメルトダウンについて、National Autistic Societyは、強いストレスの前段階で不安・同じ質問の繰り返し・揺れる・動きが止まるなどのサインが見られることがあり、その段階では刺激を減らし、落ち着く方法を使うことが有効な場合があると説明しています。

癇癪の最中に必要なのは、正論ではなく、安心できる大人の存在です。


③ 刺激を減らす

障害のあるお子さんの中には、音、光、人の多さ、におい、服の感触などに敏感なお子さんがいます。

スーパー、園の行事、初めての場所、予定変更、人混み。
大人から見ると普通の環境でも、子どもにとっては情報量が多すぎることがあります。

National Autistic Societyは、感覚過負荷がある場合には、可能な範囲で刺激を取り除くこと、難しい場合はより静かな環境へ移動すること、安全であると伝えることを支援方法として挙げています。

家庭や外出先では、次のような工夫ができます。

  • 人の少ない場所に移動する
  • 音や光の刺激を減らす
  • 見守る大人を少なくする
  • 好きな安心グッズを使う
  • 静かに待てる場所を事前に決めておく

癇癪を「その場で何とかする」だけでなく、起きにくい環境をつくることも大切な支援です。


④ 落ち着いてから、気持ちを代弁する

癇癪がおさまってきたら、すぐに反省を求めるのではなく、まず子どもの気持ちを言葉にして返します。

「びっくりしたね」
「まだ遊びたかったんだね」
「急に変わって嫌だったね」
「うまく言えなくて困ったね」

子どもは、自分の気持ちをまだうまく言葉にできないことがあります。

大人が代わりに言葉にすることで、
「自分は分かってもらえた」
「この気持ちは、こう言えばよかったんだ」
と少しずつ学んでいきます。

NICEのガイドラインでも、行動を理解する際には、行動そのものだけでなく、本人の表出・理解のコミュニケーション、感覚面、環境、最近の生活上の変化などを含めて評価することが推奨されています。


⑤ できたことを具体的に褒める

癇癪がおさまった後は、できなかったことを責めるより、できた部分を見つけて伝えます。

「最後は座れたね」
「先生のところに戻ってこられたね」
「深呼吸できたね」
「叩かずに待てたね」
「落ち着いてから教えてくれたね」

CDCは、子どもが指示に従ったり望ましい行動をしたりしたときに注目して褒めること、また怒りを表す別の方法を教えることを保護者向けの支援として示しています。

「できたこと」を具体的に認めることで、子どもは次に同じような場面になったとき、少しずつ別の行動を選びやすくなります。


癇癪のあとに大切なのは「次につながる振り返り」

癇癪が起きたあと、大人が自分を責めすぎる必要はありません。

ただし、毎回同じような場面で起きている場合は、振り返ることが大切です。

たとえば、

  • どんな場面で起きやすいか
  • その前にどんなサインがあったか
  • 空腹、疲れ、眠気はなかったか
  • 音や人混みなどの刺激は強くなかったか
  • 予定変更や切り替えは急ではなかったか
  • 子どもは何を伝えたかったのか

こうした記録を残すことで、癇癪の「きっかけ」や「起きやすい条件」が見えてくることがあります。National Autistic Societyも、メルトダウンの前・最中・後に起きたことを記録すると、パターンが見えてくる場合があると説明しています。


ご家庭だけで抱え込まなくて大丈夫です

癇癪に向き合う毎日は、保護者の方にとって本当に大変です。

「自分の関わり方が悪いのかな」
「もっと厳しくした方がいいのかな」
「外で癇癪が起きたらどうしよう」

そんなふうに悩むこともあると思います。

でも、癇癪は保護者の努力不足だけで起きるものではありません。
子どもの発達特性、感覚、ことば、環境、不安、疲れなど、さまざまな要因が重なって起きることがあります。

大切なのは、子どもを責めることでも、保護者が一人で抱え込むことでもありません。

子どもが安心して過ごせる環境を一緒に考え、少しずつ「伝え方」や「落ち着き方」を育てていくことです。

SHIPでは、子どもの行動だけを見るのではなく、
「なぜその行動が起きているのか」
「どんな支援があれば安心できるのか」
「家庭や園でも取り入れやすい方法は何か」
を大切にしながら支援しています。

中央市・昭和町・甲府市南部・南アルプス市・市川三郷町周辺で、
お子さんの癇癪や切り替えの難しさ、集団生活での困りごとについて悩まれている方は、どうぞ一度ご相談ください。

お子さんに合った関わり方を、一緒に考えていきます。

→フォームで申し込む方はこちら

受付:24時間 / 返信:9:00〜20:00(土日祝も対応)


この記事のポイント

  • 癇癪は「困った行動」ではなく、子どもが困っているサインとして見る
  • 最中は説得よりも安全確保を優先する
  • 言葉をかけすぎず、刺激を減らす
  • 落ち着いてから気持ちを代弁する
  • できたことを具体的に褒める
  • 繰り返す場合は、前後の状況を記録して支援につなげる
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