「積み木が崩れると、『もうやらない』と離れてしまう」
「思ったように絵が描けなくて、紙をぐしゃっと丸めてしまう」
「パズルがはまらないと、泣いて終わってしまう」
そんな姿に、どう声をかければいいのか迷うことはありませんか。
「あと少しなのに」と思って「もう一回やってみよう」と声をかけたら、もっと嫌がってしまった。そんな経験がある方もいると思います。
お子さんにとっては、思うようにできなかったことが、大人が思う以上に悔しかったり、不安だったりします。やり方が分からない、今の力ではまだ難しい、ということもあります。
「もうやらない」と言ったからといって、やる気がない子、あきらめやすい子というわけではありません。道具や手伝い方、休むタイミングを少し変えながら、取り組みやすい方法を一緒に探していきましょう。
この記事では、おうちで試せる5つの関わりを紹介します。
- まずは、うまくいかなかった気持ちを受け止める
- どこで難しくなったのかを見る
- 道具や手伝い方を変えてみる
- 「一緒にやる」「休む」「おしまい」から選べるようにする
- 試せたことを、短く言葉にする
全部やる必要はありません。よくある場面を一つだけ選んで、できそうなものから試してみてください。
どうして「もうやらない」となるの?
理由は、お子さんによって違います。例えば、こんなことが考えられます。
- 頭の中で思い描いていた形と、できたものが違った
- 手の動かし方や力加減が、まだ難しい
- 次に何をすればいいのか分からない
- 「またうまくいかないかも」と不安になっている
- 疲れている、周りの音や人の多さが気になっている
単に、その遊びはもうおしまいにしたかった、別のことをしたくなった、ということもあります。
「失敗が嫌なんだね」と一つに決めず、やめる少し前の様子や、うまく取り組めたときとの違いを思い出してみてください。
1.まずは、うまくいかなかった気持ちを受け止める
泣いたり怒ったりしているときは、やり方を説明するより、今起きたことを短く言葉にしてみてください。
「積み木、崩れちゃったね」
「思っていた形と違ったね」
「ここ、うまく入らなかったね」
お子さんの様子に合わせて、「悔しかったね」「まだ作りたかったんだね」と添えてもいいですね。
「違う!」と返ってきたら、「そっか、違ったんだね」と受け止めれば大丈夫です。気持ちをぴったり当てることより、お子さんに確かめながら話すことの方が大切です。
大泣きしているときは、まず安全を確かめて、少し休む、静かな場所に移るなど、落ち着ける方法を選んでください。「もう一回やってみる?」は、落ち着いてからで大丈夫です。
2.どこで難しくなったのかを見る
同じ「できなかった」でも、つまずいたところは一人ひとり違います。
積み木なら、土台が狭かったのか、どこに置けばいいか分かりにくかったのか、手が当たって崩れたのか。パズルなら、ピースの向きが分からなかったのか、ピースが多すぎて選べなかったのか。
さっきの様子を思い出してみると、手伝えそうなところが見つかることがあります。
落ち着いているときなら、難しかったところを指さしながら、
「ここ、入りにくかった?」
「どっち向きか迷った?」
と短く聞いてみてもいいですね。
うまく説明できなくても大丈夫です。お子さんがじっと見ていたところや、手が止まったところが手がかりになります。
3.道具や手伝い方を変えてみる
もう一度やるときは、同じやり方のままではなく、少しだけ取り組みやすくしてみてください。
積み木なら、土台を広くする。大人が下の積み木を支えて、お子さんが上に置く。
パズルなら、選ぶピースを少なくする。最後の一つを、お子さんがはめられるようにしておく。
お絵描きなら、紙が動かないように押さえる。持ちやすいクレヨンを一緒に選ぶ。
うまくいったら、どの手助けがよかったのか覚えておくと、次に役立ちます。
シップくん4.「一緒にやる」「休む」「おしまい」から選べるようにする
「もう一回やる?」と聞かれても、一人でやるのはまだ不安なことがあります。
そんなときは、
「一緒にやってみる?」
「ちょっと休む?」
「今日はおしまいにする?」
と、選べることを分かりやすく伝えてみてください。
言葉で答えるのが難しいお子さんなら、うなずく、道具を渡してくる、その場を離れるなど、動きからも気持ちを読み取れます。
遊びなら、そのままおしまいにしてかまいません。休んだあとに自分から道具を手に取ったら、そのときに一緒にやってみましょう。その日にもう一度やらなくても、次に遊ぶときに取り組みやすい準備をしておけば十分です。
着替えなど、生活の中でやらなければいけないことは、難しいところを大人が手伝って終わらせても大丈夫です。
5.試せたことを、短く言葉にする
取り組んだあとは、お子さんがやってみたことを短く伝えてみてください。
「下を広くしたら、積み木が立ったね」
「一緒に持ったら、入ったね」
「『手伝って』って教えてくれたね」
「少し休んで、戻ってきたね」
完成したかどうかだけでなく、手伝ってと言えた、休みたいと伝えられた、別のやり方を試せたことも、大切な一歩です。



声をかけられるのを嫌がるお子さんなら、何度もほめたり、感想を聞いたりしなくて大丈夫です。にっこりうなずくだけでも伝わります。
おうちの方も、毎回うまく対応しなくて大丈夫です
忙しい朝や疲れている日に、一つひとつ丁寧に関わるのは難しいものです。
そんな日は、大人がたくさん手伝ってかまいません。毎回を練習の時間にしなくて大丈夫です。
少し余裕のあるときに、「これならできた」という方法が一つ見つかれば十分です。
見つかった方法は、園の先生にも伝えてみてください。
「積み木の土台を支えると、もう一度置けました」
「少し休んでからだと、戻ってこられました」
こんなふうに具体的に伝えると、先生もお子さんに合った関わり方を考えやすくなります。園でうまくいっている工夫も、ぜひ聞いてみてください。
よくある質問
手伝いすぎると、自分でやらなくなりませんか?
手伝ってもらいながら「できた」を経験することは、次に挑戦するための土台になります。
心配なときは、手伝う量を少しずつ減らしていく方法があります。例えば積み木なら、はじめは大人が土台をしっかり支え、慣れてきたら手を添えるだけにする、といった具合です。
疲れている日や難しそうな日は、また多めに手伝って大丈夫です。行ったり来たりしながら進めていきましょう。
その日は、もう一度やらずに終わってもいいですか?
はい。遊びなら、休んだままおしまいにしてかまいません。次に遊ぶときに、道具や手伝い方を少し変えてみてください。
着替えなど必要なことは、大人が手伝って終わらせても大丈夫です。「毎回一人で最後まで」を目指さなくていいんです。
失敗に慣れるために、わざと難しいことをさせた方がいいですか?
わざと失敗させる練習は必要ありません。
毎日の遊びや生活の中で自然に起きる「うまくいかなかった」を、お子さんに合った方法で一緒に乗り越えていけば十分です。強く泣いたり嫌がったりしているときは、まず落ち着いて過ごせることを大切にしてください。
SHIP中央に、気軽にご相談ください
SHIP中央では、お子さん一人ひとりの得意なことや好きなこと、どんな手助けがあると取り組みやすいかを大切にしながら支援しています。
「できたかどうか」だけでなく、「どんな手助けがあれば取り組めたか」も一緒に確かめながら、おうちや園で生かせる関わり方を考えていきます。
中央市や周辺地域で、「少しうまくいかないと泣いてしまう」「やってみたい気持ちはあるのに、途中でやめてしまう」と気になっている方は、よくある場面を聞かせてください。
利用を決めていなくても、見学や相談はできます。お子さんが取り組みやすい方法を、一緒に探していきましょう。
参考資料
こどもの意見や意思を大切にし、一人ひとりに合わせて支援するという考え方を参考にしています。この記事の5つの関わりは、おうちで取り入れやすいようにSHIP中央がまとめた提案で、ガイドラインに書かれた手順ではありません。
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