「積み木ができても、見せに来ることが少ない」
「面白いものを見つけても、一人で見ている」
「手伝ってほしいときは来るけれど、うれしいことを伝えに来る様子はあまりない」
そんな姿を見て、「楽しかったことを、もう少し一緒に味わえたら」と思うことはありませんか。
お子さんが何を面白がっているのか、どう関わればよいのか、迷うこともあると思います。
一人でじっくり楽しんでいることもあれば、大人への伝え方がまだ分かりにくいこともあります。言葉で「見て」と言わなくても、近くに物を置いたり、少しこちらを見たりしているかもしれません。
見せに来ることが少ないという一つの姿だけで、お子さんの気持ちや、人への関心を決めつけることはできません。
まずは、お子さんが楽しんでいることを知り、無理なく一緒に楽しめる場面を探していきましょう。
この記事では、おうちで試せる5つの関わりを紹介します。
- お子さんが面白がっていることを見つける
- 質問より、短い感想を添える
- 小さな働きかけに気づいて応える
- 大人も、気づいたことを伝えてみる
- 好きな遊びで、短いやりとりを楽しむ
全部やる必要はありません。普段の遊びに一言添えるくらいから、始めてみてください。
「見て!」は、言葉だけではありません
大人と楽しさを共有するとき、お子さんはさまざまな方法を使います。
- 作ったものを、近くに持ってくる
- 面白いものを指差す
- 物を見たあと、大人の方を見る
- 楽しそうな声を出して、近づいてくる
- 大人の隣で、同じ動きを繰り返す
こうした姿が、何かを知らせたい、同じことを楽しみたいという働きかけになっている場合もあります。
ただし、物を持ってきた理由が、手伝ってほしいからということもあります。こちらを見たからといって、必ず「見てほしい」と決まるわけでもありません。
前後の様子や、そのあとに見られる反応を手がかりに、気持ちを確かめていきましょう。
1.お子さんが面白がっていることを見つける
一緒に遊ぼうとすると、大人が用意した遊びへ誘いたくなることがあります。
まずは、今お子さんが何を楽しんでいるか、少し見てみてください。
車のおもちゃを走らせるのが好きなのか、タイヤが回る様子を見ているのか。積み木を高くするのが面白いのか、並べた形を眺めているのか。
同じおもちゃでも、楽しんでいるところは違います。
「タイヤ、くるくる回っているね」
「長く並んだね」
お子さんが見ていること、していることに合う言葉を添えてみましょう。
遊びを変えたり、おもちゃを動かしたりせず、そばから一言伝えるだけでも構いません。嫌がるときは少し離れ、一人で楽しむ時間も大切にしてください。
2.質問より、短い感想を添える
関わろうとするほど、質問が増えてしまうことがあります。
「何を作ったの?」
「これは何色?」
「何個ある?」
答えることが負担になっていそうなときは、短い感想に変えてみましょう。
「高くなったね」
「赤い車、走ったね」
「面白い音がしたね」
返事を求めず、大人もその場を楽しんでみてください。
お子さんが笑ったり、もう一度同じことをしたりしたら、その様子に合わせて応えてみましょう。反応がなくても、言葉を次々と重ねず、遊びの様子を見ていて大丈夫です。
3.小さな働きかけに気づいて応える
完成したものを見せに来なくても、遊びの途中で少しこちらを見たり、物を近くに置いたりすることがあります。
そんなときは、
「できたね」
「ここに置いたんだね」
「一緒に見ようか」
と短く応えてみてください。
お子さんが見せたものを、すぐに手に取ったり、遊び方を直したりする必要はありません。そのまま一緒に眺める方法もあります。
伝えたつもりと違っていそうなら、「これを手伝ってほしかった?」など、様子を見ながら確かめましょう。
しっぷくん近くに置く、ちょっと見せる。言葉になっていない「見て」かもしれないね。お子さんの反応を見ながら、受け止めてみよう。
4.大人も、気づいたことを伝えてみる
お子さんからの働きかけを待つだけでなく、大人が面白いと思ったことを短く伝えてみる方法もあります。
散歩で赤い葉っぱを見つけたら、
「赤い葉っぱがあったよ」
絵本で好きな動物が出てきたら、
「ねこ、いたね」
お子さんが気づきやすい距離や場所で、物を見せたり、指差しを添えたりしてみましょう。
見たり、触れたり、声を出したりしたら、その反応に合わせて一緒に楽しみます。
気づかなかったり、別のことに夢中だったりするときは、そこで終わって構いません。何度も「こっちを見て」と求めず、また別の機会を探してみてください。
5.好きな遊びで、短いやりとりを楽しむ
好きな歌を一緒に口ずさむ。ボールを一回ずつ転がす。大人とそれぞれ積み木を並べる。
お子さんが楽しめる遊びの中で、短いやりとりを試してみましょう。
同じ動きをまねしてみたら、お子さんが笑った。ボールを転がしたら、もう一度返してくれた。
そんなやりとりがあったときは、「もう一回転がったね」「一緒だね」と、その場で応えてみてください。
毎回、長く続ける必要はありません。お子さんが離れたら、その日はそこで終わって大丈夫です。
「見て」と言うまでおもちゃを渡さない、目が合うまで遊びを止めるといった条件はつけず、今できるやりとりを楽しみましょう。
ゆうた先生お子さんが楽しんでいることを手がかりに、やりとりしやすい場面を探します。「見て」と言えるかだけでなく、一緒に楽しめた時間も大切にしていきましょう。
おうちの方も、ずっと遊び相手をしなくて大丈夫です
家事や仕事をしながら、いつでもお子さんの遊びに応じるのは難しいものです。
一緒に過ごせるときに、短く応えるだけでも構いません。
すぐに見られないときは、「今は手が離せないから、終わったら見せてね」と伝え、落ち着いたときに見に行く方法もあります。
園の先生にも、「どんな遊びのときに人へ近づくか」「どんな反応があると、やりとりが続きやすいか」を聞いてみると、お子さんの好きな関わり方を知る手がかりになります。
よくある質問
一人遊びは、減らした方がいいですか?
一人で集中して楽しむ時間も大切です。いつも大人が入る必要はありません。
お子さんの興味や反応を見ながら、短く関わる機会を探してみましょう。関わられるのを嫌がるときは、距離やタイミングを変えて構いません。
「見て」と言う練習をした方がいいですか?
言葉で言うことを、毎回の条件にしなくて大丈夫です。
物を持ってくる、指差す、身振りを使うなど、お子さんが今使っている方法に応えてみてください。その場に合う「できたね」「見せてくれたんだね」といった言葉を、大人が添えることもできます。
目が合わなくても、一緒に楽しめますか?
目を合わせることを条件にする必要はありません。
同じものを見る、一緒に音を聞く、同じ動きを楽しむなど、お子さんに合う関わり方を探してみましょう。
楽しそうか、負担になっていないか、そのあとの反応も見ながら調整してください。
SHIP中央に、気軽にご相談ください
SHIP中央では、お子さんの興味や得意なこと、どんな相手や環境で取り組みやすいかを確認しながら、一人ひとりに合った支援を考えています。
個別活動や小集団での経験を通して、人とのやりとりや、生活の中で使えるコミュニケーションを支えていきます。
中央市や周辺地域で、「人に見せたり知らせたりすることが少ない」「一緒に遊びたいけれど、関わり方に迷う」と気になっている方は、普段の様子を聞かせてください。
「見て」と伝えることが少ないという一つの姿だけで、発達の状態を判断することはできません。ことばや普段のやりとりなど、ほかにも気になることがある場合は、園の先生や市町村の保健師などに相談することもできます。
SHIP中央でも、利用を決めていない段階から見学や相談ができます。お子さんと楽しめる関わり方を、一緒に探していきましょう。
参考資料
「言語・コミュニケーション」の領域で示されている、人との相互作用や、言葉以外の伝え方を含む支援の考え方を参考にしています。この記事の5つの関わりは、家庭で取り入れやすいようにまとめた提案で、ガイドラインに書かれた手順そのものではありません。



