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子どもが叩く・噛むときに|安全を守りながら考えたい5つの関わり【SHIP中央】

友達へ手が出そうになった子どもに、大人が安全を守りながら穏やかに関わる様子を表したイラスト
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おもちゃを取られそうになると手が出る。思いどおりにならないと家族を叩く。友達との距離が近くなると噛んでしまう。園から伝えられるたびに、申し訳なさや不安を感じ、何度注意しても繰り返すことに迷う保護者の方もいると思います。

叩く・噛む行動は、安全のためその場で止めます。一方、強く叱るだけでは、次に使える方法までは伝わりにくいことがあります。行動の前後を整理し、安全を守ることと、別の伝え方を育てることを一緒に考えましょう。

保護者A
友達におもちゃを取られそうになると、手が出てしまいます。何度伝えても繰り返すので心配です。
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叩く・噛む背景は一つではありません

次は「考えられる背景」であり、診断や原因の断定ではありません。行動だけから発達障害の有無や、保護者の愛情・しつけを判断することはできません。

  • 「やめて」「貸して」「助けて」を、間に合う形で伝えにくい
  • 順番、待つ時間、活動の終わりが分かりにくい
  • 人との距離、音、混雑、身体への接触が負担になっている
  • 疲れ、空腹、痛み、体調不良が重なっている
  • 気持ちが大きく動いたとき、止まることが難しい
  • 行動によって、結果的に場面が変わった経験が重なっている

同じ子でも場面によって違います。児童発達支援ガイドラインの、健康・感覚・伝え方・環境などを合わせて捉える視点を参考に、本人の言葉や様子も確かめます。背景を考えることは、相手を傷つける行為を容認することではありません。

安全を守りながら考えたい5つの関わり

1.最初に相手と本人の安全を守る

シップくん
まずは相手と本人の安全を守ります。そのうえで、直前に何があったかも見ていきましょう。

大人が間に入り、危険な物を遠ざけ、接触が続かない距離を取ります。相手と本人に傷や痛みがないか確認し、「止めるよ」「手はここ」と短く、落ち着いて伝えます。傷や痛みがあるときは、必要に応じて医療機関へ相談してください。

長い説明や振り返りは落ち着いてからにします。押さえつけたり、痛みや恐怖で従わせたりする方法は勧めません。差し迫った危険を防ぐ場合も、安全確保に必要な最小限にとどめ、危険が去った後まで身体を制限し続けないようにします。

2.行動の直前と直後を見る

安全を確保した後、覚えている一場面を短く記録します。「乱暴だった」ではなく、見聞きしたことを書きます。下の表は架空の例です。スマートフォンでは横にスクロールできます。

直前にあったこと実際に見られた行動周囲の対応その後どうなったか次に試す支援
使っていた電車に友達が手を伸ばした友達の腕を手のひらで1回叩いた大人が間に入り、傷と痛みを確認した二人が離れ、本人は電車を持っていた大人が近くで「まだ使う」のカードを示す

「電車を持っていた」は事実ですが、「取られたくなかった」は解釈です。一度の記録で理由を決めず、時間帯、体調、起こらなかった場面との違いも見ます。相手が離れたなどの結果も手がかりになりますが、安全確保を控えて反応を試す必要はありません。

3.代わりの伝え方を、落ち着いているときに練習する

「やめて」「貸して」「まだ使う」「次にやりたい」「助けて」のほか、その場から離れる、大人を呼ぶことも選択肢です。話し言葉だけを求めず、指差し、身振り、写真、絵カードから、使いやすい方法を1~2個選びます。

シップくん
「やめて」「貸して」「助けて」は、ことばだけでなく、指差しやカードでも伝えられます。

大人との穏やかな遊びで、「まだ使う」のカードを示したら大人が受け止める、という短いやり取りを試します。伝える手段を選ぶ考え方はガイドラインの「言語・コミュニケーション」を参考にしています。貸し借りは「貸して・待つ」を育てる関わりもご覧ください。

4.起こりにくい環境を先に作る

  • 人気のおもちゃを複数用意し、待つ時間を短くする
  • 順番カードや交代の合図で、次の番を分かりやすくする
  • 子ども同士の距離を調整する
  • 切り替えを少し前に知らせる
  • 困りやすい場面では、大人が近くにいる

環境調整は、友達との関わりをいつまでも避けさせるためではありません。安心できる条件で、別の関わり方を経験しやすくするための工夫です。本人と相手の様子を見て、人数や待つ長さを調整します。

5.落ち着いてから、関係の立て直しを支える

相手のけがや気持ちを確認し、物を返す、倒れた物を一緒に直すなど、できることを大人と考えます。年齢や理解に合わせて短く振り返り、次に使う言葉やカードを確かめます。

謝罪も大切な方法の一つですが、泣いたり興奮したりしている最中に、形だけの「ごめんなさい」を強制しません。落ち着いた後に理解できる形で支え、相手にもすぐ仲直りすることを求めないようにします。

「叩く前に止まれたね」「助けてと伝えられたね」と、代わりの行動を具体的に認めます。大人が気持ちを言葉にし、関わり方の見本を示す考え方は保育所保育指針解説の「人間関係」を参考にしています。

ゆうた先生
叩く・噛むことを止めることと、子どもが別の伝え方を身につけられるよう支えることは、どちらも大切です。

家庭だけで抱え込まず、相談してよい目安

けがにつながることが繰り返される、頻度や強さが増える、園生活や外出が大きく制限される、痛みや体調不良が疑われる、保護者や園の負担が大きい。こうした場合は、園、市町村の相談窓口、児童発達支援、小児科などへ相談できます。期間を決めて待つ必要はありません。

よくある質問

叩いた直後は、まず何をすればよいですか?

大人が間に入り、相手と本人の距離を取り、傷や痛みを確認します。短い言葉で止め、安全と落ち着きを優先します。

その場ですぐに謝らせた方がよいですか?

興奮している間は謝罪を強制せず、落ち着いてから相手への声かけや、返す・直すなどの関係の立て直しを支えます。

どのくらい続いたら相談してよいですか?

日数だけで決めなくて構いません。けがの心配や生活への影響がある、対応に迷うという段階から相談できます。

SHIP中央では、場面と伝え方を一緒に整理します

SHIP中央は、山梨県中央市にある未就学児対象の児童発達支援事業所です。私たちは行動だけで判断せず、ご家庭や園での様子、起きる前後、環境や伝え方を整理し、その子に合う支援を考えます。

個別活動では、落ち着いて取り組める中で、分かりやすい伝え方や必要な助けを確認します。少人数の活動では、順番や要求、断ること、助けを求めることなど、人との関わりを経験します。安全に経験できるよう、本人の様子に合わせて活動を組み立てます。

今回のような場面なら、個別で使いやすいカードや身振りを確かめ、友達のいる場面で使える条件を考えることができます。うまくいかなかったときも、子どもの努力だけに求めず、大人の位置や合図、待つ時間を見直します。

家庭や園でも使いやすい方法を保護者の方と一緒に考え、保護者の同意のもと、必要に応じて園などと連携します。行動が必ずなくなるとお約束するものではなく、支援の中で様子を確かめながら調整していきます。

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参考にした公的・専門情報

2026年9月14日に公式掲載版を確認しました。声かけや観察メモは、以下の考え方を踏まえた提案例です。5つを行えば必ず改善するという効果を示すものではありません。

見学・相談で、気になっている場面をお聞かせください

中央市、昭和町、甲府市、南アルプス市周辺で相談先を探している方も、利用するか決めていない段階から見学やご相談が可能です。お子さまが手を出してしまう場面や、その前後の様子を、分かる範囲でお聞かせください。一緒に整理し、その子に合う伝え方や環境を考えていきます。

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