ゆうた先生こんにちは♪ここでは、ABAについてお話していきます♪
1. 現場の悩み
「ほめても動かない」「ご褒美がないとやらない」「ABAって、子どもを操作するようで少し冷たいのでは?」
発達支援の現場やご家庭で、そんな不安を感じたことはありませんか。
ABAは、単にご褒美を使って子どもを動かす方法ではありません。子どもの行動の背景を丁寧に見て、“どうすればその子が安心して、できる行動を増やせるか”を考えるための考え方です。
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それでは一緒に見ていきましょう♪
2. ABAとは何か
ABAとは、応用行動分析のことです。英語では Applied Behavior Analysis と呼ばれ、人の行動がどのように変化するのか、環境や学習との関係から理解する科学的なアプローチです。VCU Autism Centerも、ABAを「行動を理解するための科学的アプローチ」と説明し、話す・遊ぶ・生活するなど、日常生活に必要な行動やスキルを支援する考え方として整理しています。
ABAで大切にするのは、子どもを無理に変えることではありません。
「何がきっかけでその行動が起きたのか」「行動のあとに何が起きたのか」「その結果、行動が増えたのか、減ったのか」を見ます。
この、行動と結果のつながりを「随伴性」といいます。
たとえば、子どもが「手伝って」と言えたあとに、大人がすぐに助けてくれた。すると次からも「泣く」より「手伝って」と言いやすくなる。これが、支援で大切にしたい強化随伴性です。
誤解されやすいのは、「強化=ご褒美」と考えてしまうことです。
本来の強化とは、子どもにとって意味のある結果によって、その行動が次も起こりやすくなることです。お菓子やシールだけではありません。安心できる声かけ、成功体験、わかりやすい見通し、大人との楽しい関わりも、その子にとっての強化になります。
また、ABAは一つの決まった方法だけを指すものではありません。米国National Academiesの報告でも、ABAは単一の介入ではなく、強化、プロンプト、機能的コミュニケーション支援、自然な場面での支援などを含む複数の実践の集合として整理されています。
3. 具体例



具体例を見ていきます♪
ケース1:片付けを嫌がる子
活動が終わるたびに、片付けで泣いてしまう子がいたとします。
この時、「わがまま」「切り替えが苦手」とだけ見ると、支援は叱る・待たせる・無理にやらせる方向になりやすくなります。
ABAの視点では、まず行動の前後を見ます。
- きっかけ:突然「片付けて」と言われた
- 行動:泣く、床に寝転ぶ
- 結果:片付けが先延ばしになる、大人が代わりに片付ける
この場合、泣くことで「苦手な片付けから逃れられる」経験になっている可能性があります。
そこで、支援では「泣かないようにする」より先に、片付けを成功しやすくする環境を整えます。
たとえば、「あと1回でおしまい」と予告する、片付ける物を2つだけにする、写真カードで終わりを見せる、できたらすぐに「ここまで戻せたね」と具体的に認める。
こうすることで、「泣く」ではなく「少し片付ける」「終わりを受け入れる」という行動が起こりやすくなります。
ケース2:ことばより先に手が出る子
友だちのおもちゃが欲しい時に、黙って取ってしまう子がいたとします。
この行動だけを見ると、「乱暴」「待てない」と見えてしまいます。
しかし、ABAの視点では、まず機能を考えます。
この子にとって、おもちゃを取る行動は「ほしいものを手に入れる方法」になっているかもしれません。
この場合に大切なのは、ただ「取っちゃだめ」と言うことではありません。
代わりになる行動を教えます。
たとえば、
「かして」
「あとで」
「いっしょに」
「先生、手伝って」
など、その子が使える言葉やカード、ジェスチャーを用意します。
そして、少しでも伝えようとできた瞬間に、大人がすぐに反応します。
「かしてって言えたね」
「先生に伝えられたね」
「じゃあ一緒に聞いてみよう」
このように、望ましい伝え方のあとに、子どもにとって意味のある結果が返ってくると、その行動は次も起こりやすくなります。
4. SHIPでの実践
SHIPでは、ABAを「子どもを大人の思い通りに動かす方法」としては考えていません。
むしろ、子どもの行動を責める前に、環境や関わり方を見直すための視点として活用しています。
具体的には、まず子どもの行動をよく観察します。
「いつ起きるのか」「何のあとに起きるのか」「その行動のあとに何が起きているのか」を見ます。そのうえで、子どもが困った行動をしなくても伝えられる方法、参加できる方法、安心できる方法を一緒に考えます。
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインでも、こどもと家族を中心に据えた包括的なアセスメント・支援の必要性が示されています。
SHIPでも、支援者側の都合だけで「できる・できない」を判断するのではなく、その子の発達段階、感覚の特性、ことばの理解、家庭や園での様子をふまえて支援を組み立てます。
保護者の方には、専門用語だけで説明するのではなく、できるだけ日常の言葉で伝えます。
たとえば、
「この行動には理由がありそうです」
「今は“やらない”のではなく、“どうしたらよいかわからない”状態かもしれません」
「泣く前に伝えられる方法を一緒に作っていきましょう」
このように、ABAを冷たい理論としてではなく、子どもを理解し、できる行動を増やすためのあたたかい支援として保護者の方と共有しています。
厚生労働省のペアレント・トレーニング実践ガイドブックでも、子どもの適切な行動を見つけてほめること、行動理論を専門用語ではなく日常的な表現で説明することの重要性が示されています。
5. 支援者向けチェックリスト
こんな時は要注意
ABAを実践する時は、次のような関わりになっていないか注意が必要です。
- ご褒美がないと動けない形になっている
- 子どもの気持ちや不安を見ずに、行動だけを変えようとしている
- 「できた・できない」だけで評価している
- 大人にとって都合のよい行動だけを増やそうとしている
- 困った行動の背景を見ずに、叱る・無視するだけになっている
- 子どもにとって意味のある成功体験になっていない
ABAは、やり方を間違えると「大人が管理する支援」になってしまいます。
大切なのは、子どもの尊厳を守りながら、生活の中で役立つ行動を増やしていくことです。
6. まとめ
ABAは、「ご褒美で釣る支援」ではありません。
子どもの行動の背景を見て、環境を整え、できる行動を少しずつ増やしていくための考え方です。
SHIPでは、特別支援教育の視点とABAの考え方をもとに、一人ひとりに合わせた発達支援を行っています。
お子さまの行動や関わり方で悩んでいる方は、ひとりで抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。
見学・利用相談も受け付けています。
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参考資料
- VCU Autism Center「What is Applied Behavior Analysis?」
- National Clearinghouse on Autism Evidence and Practice「EBP Database」
- National Academies / NCBI Bookshelf「Evidence Base for Applied Behavior Analysis」
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」
- 厚生労働省「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」







