「園ではよく頑張っています」と先生から聞く一方で、家に着くと急に泣く、怒る、玄関から動けなくなる。ほんの小さなきっかけで気持ちが崩れ、休日よりも登園日の夕方のほうが大変――そんな違いに戸惑う保護者の方は少なくありません。
毎日受け止める側にも余裕がなくなり、「家での関わり方が悪いのかな」「園でできるのに、なぜ家ではできないのだろう」と悩むこともあるでしょう。
園と家庭で見える姿が違うことだけで、しつけや性格、発達上の問題を決めることはできません。大切なのは、帰宅後の行動だけを切り取らず、その日をどのように過ごし、どんな条件が重なっていたかを具体的に見ることです。
「園では頑張っていると言われるのに、家に帰ると泣いたり怒ったりします。私の関わり方が悪いのでしょうか?」
シップくん家庭と園では、周囲の刺激や求められることが違います。どちらかが間違っているのではなく、負担が大きくなる条件を分けて見ていきましょう。
中央市・昭和町・甲府市南部・南アルプス市・市川三郷町周辺で、園生活や帰宅後のお子さんの様子について気になることがある方へ。SHIP中央では、利用を決める前の見学・相談も受け付けています。SHIP中央の支援内容や見学・相談の流れをご覧いただけます。
園では頑張れても、帰宅後に負担が表れることがあります
園では、友達や先生の声、人の動き、全体への説明、順番を待つこと、活動の切り替えなどが一日の中に続きます。周囲を見て動く、決められた時間に終える、気持ちをいったん横に置くといったことが重なると、本人が困った様子を見せていなくても疲れがたまる場合があります。
また、園では緊張して気持ちを保ち、慣れた家庭に戻ったあとで疲れや不快感が表れる可能性もあります。ただし、「家が安心できるから必ず崩れる」「園で無理をしている証拠」と単純に決められるものではありません。
- 音や人の動きなど、受け取る刺激が多かった
- 一斉の説明を聞く、順番を待つ、周囲に合わせる場面が続いた
- 運動や制作、行事の練習など、活動量が多かった
- 空腹、眠気、暑さ、体調などが重なった
- 疲れや困りを、ことばで伝えることが難しかった
同じ子でも日によって反応が違い、いくつかの条件が重なることもあります。一つの行動から診断名や原因を推測するのではなく、「今日は何がいつもと違ったか」を見ていきます。
帰宅後の行動だけでなく、その前後を整理する
泣いた、怒った、動かなかったという結果だけでは、何を変えるとよいかが見えにくいものです。次の項目を短くメモしておくと、続きやすい条件と落ち着きやすい方法を比べやすくなります。
- 園での一日:外遊び、行事の練習、初めての活動などはあったか
- 体の状態:前夜の睡眠、体調、空腹、暑さはどうだったか
- 帰宅直後:着替え、手洗い、質問など、何を求められたか
- 周囲の刺激:テレビの音、きょうだいの声、人の出入りなどはあったか
- 落ち着くまで:静かな場所、水分、抱っこ、一人で過ごすなど、何が役立ったか
- 休日との違い:時間、活動量、予定の分かりやすさに違いはあるか
シップくん家で気持ちが崩れた場面だけでなく、その前にどのような一日を過ごしていたかも大切な手がかりです。
家庭でできる5つの関わり
1.帰宅直後に予定を詰め込みすぎない
玄関に入ってすぐ「手を洗って、着替えて、かばんを片づけて」と続けると、受け止めることが増えます。安全と健康に必要なことを優先し、急がなくてよい用事は少し後に回します。「水を飲んだら、ソファで休もう」のように、最初の流れを小さくすると分かりやすくなります。
2.質問や指示の前に、休める時間をつくる
「今日は何をしたの?」「どうして泣くの?」と聞く前に、静かな場所で座る、好きな音楽を小さく流す、飲み物を用意するなど、その子が休みやすい時間をつくります。何分休めばよいかは子どもによって違うため、落ち着き始める様子を目安にします。
3.答えを求めすぎず、表情や行動も発信として受け取る
疲れているときは、出来事を思い出して順番に話すこと自体が難しい場合があります。「今は話したくなさそうだね」「ここで休もうか」と、見えている様子を短く言葉にします。話せるようになってから、「外遊びが長かった?」「音が大きかった?」と選びやすい形で確かめてもよいでしょう。
4.次にすることを短く、分かりやすく伝える
一度に一つ、「靴を脱ごう」「次はお茶にしよう」と伝えます。ことばだけでは受け取りにくそうなときは、飲み物や着替えを見せたり、「休む」「着替える」の二つから選べるようにしたりします。伝えたあとは、すぐに言い直さず、動き始めるまで少し待ちます。
5.園と家庭で、条件と役立った方法を共有する
「帰宅後はいつも大変です」だけでなく、「行事練習の日は泣く時間が長い」「帰宅後10分ほど静かに過ごすと着替えやすい」と具体的に伝えます。園からも、その日の活動、切り替えの様子、休めた場面などを聞けると、家庭と園で共通の見方を持ちやすくなります。
どの方法も、すべての子どもに同じように合うとは限りません。一度に全部変えず、一つ試して反応を見ながら調整してください。
「園でできるなら、家でもできるはず」と決めつけない
園でできたことは大切な力です。ただし、場所、時間、周囲の人、疲れ具合が違えば、同じ行動を同じようにできるとは限りません。
- 「家でだけわがままを言っている」と性格の問題にしない
- 帰宅直後に園の出来事を細かく問い続けない
- 泣いた、怒ったという行動だけを注意して終わらせない
- 園と家庭のどちらか一方の見方だけを正解にしない
保護者の関わりが原因だと決める必要も、園の対応が悪いと考える必要もありません。見える姿を持ち寄り、負担が増えた条件と、少し過ごしやすかった条件の両方を探します。
相談を考えてもよい目安
次のような状態が続くときは、家庭だけで抱えず、園、自治体の相談窓口、かかりつけの医療機関、児童発達支援などに相談できます。
- 帰宅後の泣きや怒り、動けない状態が長期間続いている
- 子ども本人や家族の生活への影響が大きい
- 睡眠、食事、登園にも影響している
- 自分や他の人を傷つける危険がある
- 園と家庭だけでは、対応方法を整理しにくい
- 保護者の疲れが大きくなっている
相談は、診断を急いで決めるためだけのものではありません。生活の様子を整理し、本人と家族が続けやすい方法を一緒に考えるためにも利用できます。体調や睡眠、食事について心配がある場合や、けがにつながる危険がある場合は、状況に応じて医療機関や緊急の相談先にもつないでください。
シップくん家庭と園で見える姿を一緒に整理すると、その子が過ごしやすくなる方法を考えやすくなります。
SHIP中央で一緒に整理できること
児童発達支援SHIP中央は、山梨県中央市西花輪にある0~6歳の未就学児を対象とした事業所です。家庭と園で見える姿、行動の前後、環境、伝え方を一緒に整理し、個別活動や少人数での活動を通して、その子が取り組みやすい条件を探します。
施設内だけで完結させず、家庭や園で続けやすい関わり方も保護者の方と共有します。受給者証がまだない方や、利用するか決めていない方も、見学・相談が可能です。空き状況、利用曜日などの最新情報はお問い合わせください。
SHIP中央の施設案内を見る | 見学・相談を申し込む | 公式LINEから相談する
あわせて読みたい記事
- 家ではできるのに保育園ではできない?家庭と園で姿が違う5つの理由
- 園で「集団に入りにくい」と言われたら|家庭で見るポイントと相談の目安
- 保育園・幼稚園で「一度相談してみては」と言われたら|発達が気になるお子さまへの関わり方
- SHIPの個別活動とは?|見立て・目標・実践・振り返りを具体的に解説

